品質保証
基本ブレーキ品質保証部

K.Y

前職:電気機器の品質保証・品質管理

納得の品質を、
「自分でつくる」。

会社の要として、
会社をリードする品質保証へ。

品質は会社の要――。私がそう思うのは理由があります。製品の安全・安心・快適はもちろん、経営面でも世の中に存在し続ける「信頼」に欠かせないからですし、特にアドヴィックスは、「SQDC(S安全、Q品質、D納期、Cコスト)の順番を必ず守る」と宣言している会社です。その要をリードするのが品質保証であり、刈谷工場で基本ブレーキの電動パーキングブレーキ(EPB)製品統括を任される、私のミッションです。

モビリティの電動化で世界的に、高級車から大衆車へと普及し始めたEPBは、今後の事業成長を見据えた目玉の一つになる製品として全社的に力を入れているので、やりがいがあります。実は2年間、いち早くEPBの生産を開始したグループ企業であるASブレーキシステムズ(ASB)に出向しました。新規生産ラインの立ち上げや工場拡張など生産力を高める支援が目的でしたが、EPBの知見やノウハウを身に着けて、当時はEPBを生産していなかったアドヴィックスに私から発信し、後進育成にも活かす狙いがありました。

スイッチ操作一つで簡単・確実に作動し車の安全性・快適性の向上に貢献するEPBは、構造も軽量でシンプルなのが特徴です。ただ、キャリパーでディスクローターを挟み込む機構の従来のパーキングブレーキと比べて、モーター駆動部を組み付ける必要があり、仕様ごとに生産ラインも少しずつ変わる難しさがあります。知見が限られるなかで、手探りでいかにつくりこめるか。挑戦のしがいがありましたし、新しいことをどん欲に吸収する楽しさも存分に味わって、充実感がありましたね。

たった一つの不良と、
「命を預かる」重み。

アドヴィックスの品質保証には、「初期管理ができて、一人前」という暗黙の了解があります。自分が新しいラインを立ち上げた製品を世の中に送り出すのは、嬉しさとともに当然、責任も伴います。前職の家電業界では、万が一品質に不具合があったとしても、「人の生死」に影響する発想はありませんでした。しかし、自動車業界はそのまま命に関わります。たった一つの“不良”に対する向き合い方、意識は非常に高く、ブレーキ製品は「命を預かる」ということの重みを実感しています。

私は転職して2年目、制御ブレーキ担当だった時に初めて、初期管理のプロジェクトを任されました。しかも、扱う製品もお客様も新規で、ESC(横滑り防止機能)が付いたABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の新規ラインの立ち上げでした。お客様の自動車メーカーごとに「守りたい品質」に違いがあって、そこに各社の色が出ます。そのお客様は提出書類の確認がとても緻密だったため、規程を事前にしっかり読み込んで、要求を先回りするようにしながら仕事を進めました。そうした中で、一緒にラインをつくり上げていく感覚が芽生え、実際に立ち上がった時に「安心して、生産を任せられますよ。」と言ってもらえたことは大きな自信になりました。

設備をつくる生産技術や製品をつくる製造など関係部署を巻き込んで、納得するまで品質をつくり込んでいく。そうやって「自分で品質をつくる」ことで、本当の意味での「生みの喜び」を味わえるようになりました。初期管理ができて「一人前」と周りから認められるのは、実は自分でも「一人前になれた」と思えるからかもしれませんね。

自分の想いをどれだけ伝えられるか。
熱意とリーダーシップで「世界に通用するマネジャー」へ。

刈谷工場では今、EPB構成部品の生産を担当し、製造には図面を一緒に見ながら、「EPBのここに使われる大事な部品だよ」と、イラストも使って説明しています。品質保証は、自分以外の誰かに動いてもらって成り立つ仕事なので、大事なのは何を、どうしたいのか?熱意を持って自分の想いをどれだけ伝えられるかです。

もう一つ、EPBを生産するASBや、アメリカ・メキシコ・中国2ヶ所の海外4拠点を統括し、新製品生産の初期管理や量産品質管理の旗を振る司令塔も担っています。ASBの知見やノウハウ、最新情報を海外へ展開し、海外の悩みやトラブルには解決策をサポートしています。お客様に迷惑をかけない、間違いのないものづくりで「マイナスをゼロに」変えていく量産管理と、「ゼロからプラスを見出す」初期管理。どちらも、EPBをつくるすべての現場を横串でつなぐ活動を進めています。情報共有を効率的にしながら集約・蓄積し、日本から海外への一方通行ではなく、双方向の流れに変えていけたらと考えています。

そのためにはリーダーシップも重要です。後押ししたり前から引っ張ったり、といろんなタイプのリーダーがいますが、さらに私はいつもみんなの輪の真ん中に入って、一緒に動く感じですね。これまで以上に現場に寄り添っていこうと思っていますし、海外拠点に駐在して、どれだけ自分の力が通用するかも知りたいですね。ローカルスタッフを育てて自立できる海外工場に携わるなど、海外でマネジメント経験も積み重ねて、目指すは「世界で通用する品質マネージャー」になることです。