「衝突回避支援制御ブレーキを実現せよ」

衝突回避支援制御ブレーキを実現せよ

Section.4 これからもシステムエンジニアとして、設計から評価まで

夢と目標の実現に向けて、皮切りとなる技術

プロジェクトが目指すところは世界ナンバーワンの性能を持つ衝突回避機能だ。

「現時点では、ユーロNCAP(※)で満点を取ることを目標にしています。満点を取ることは簡単ではありませんが、それくらい高い目標を掲げていかないと、世界一とは言えませんから。ただし、それは一つの通過点に過ぎないと思っています。その後も衝突回避機能の開発は続いていきます」
※ヨーロッパ新車アセスメントプログラム(European New Car Assessment Program)の略。ヨーロッパで実施されている衝突安全テスト。
大森には、入社して以来、ずっと温め続けている夢がある。

「一般の人が運転しても、カーレーサーと同じ様に速く走れるクルマを作りたいんです。それは誰がどんな状態で運転しても安全なクルマということ。つまりドライバーの操作を完璧にアシストする『自動運転』のクルマです。私が入社した頃はまだ夢物語だったのですが、今や夢は現実の目標に変わりつつあります。いま手掛けている衝突回避支援制御ブレーキシステムの開発は、その目標に向けた第一歩だと思っています」。

大森の夢の実現に向けての一歩は、アドヴィックスにとっても重要な一歩となる。「交通事故死ゼロ」の実現に向けて、衝突回避支援制御ブレーキシステムは、その皮切りとなる技術になるはずだ。

大きなプレッシャーを、自らの喜びに変える

今回のプロジェクトからカーメーカーに出向いて仕事することが多くなった。打ち合わせに出向き、ブレーキシステム全体の仕様を考え、データを取る検証方法を自ら模索し、実行していく。モノづくりの最初から最後まで、自分で面倒を見ることができるこの環境が、たまらなく楽しい。

「すべてが自分の提案から開発が進んでいく。毎日がプレゼンテーションのようなものです。逆に言えば、しっかりとした提案ができなければ、それはアドヴィックスという会社の信頼にも関わってくる。プレッシャーが大きい分、自分も鍛えられるし、成長できる。まだ30歳そこそこの自分に、そういう仕事をやらせてもらえるのは、後ろで見守っている先輩・上司がいるからこそであり、アドヴィックスという会社は、懐の深い会社だと思います。
クルマの進化に、ブレーキはどんな役割を果たしていくべきか。今後は、ブレーキ分野はもちろん、もっと大きな視野を持ってクルマづくりに関わっていきたい」

今日もカーメーカーに出向き、数多くの技術者たちとディスカッションを重ねている。

「いろんな方と技術論を交わしている時が、自分にとって一番充実した時間なんです。人生の多く時間を仕事に費やすんですから、ちゃんと仕事も楽しもうと思っています」

困難も、プレッシャーも、何もかも、楽しみに変えて、前へ。筋金入りの技術者である大森が、新しいブレーキシステムの未来をつくる。